完母でも、体重が減り始める時期には個人差があり、産後6〜8週間の回復期を過ぎてから数か月かけて緩やかに減る人が多いとされています。
「完全母乳なら自然に痩せると思っていたのに、体重が減らない」と不安になる必要はありません。授乳には多くのエネルギーが使われますが、睡眠不足や食事量、活動量、妊娠前の体格などによって体重の戻り方は変わります。
完母だといつから痩せる?体重が減る時期の目安
完母だから産後何日目から必ず痩せる、という決まった時期はありません。
出産直後は、赤ちゃんや胎盤、羊水が体外に出ることに加え、妊娠中に増えた水分や血液量が徐々に戻るため、比較的早く体重が減ることがあります。
ただし、この時期の減少は「体脂肪が一気に燃えた」というより、出産に伴う自然な変化による部分が大きいものです。
その後は、産後6〜8週間ほどの産褥期を経て体が回復し、母乳の分泌や授乳のリズムが安定するにつれて、体脂肪を含めた体重が緩やかに変化していきます。
目安を整理すると、次のようになります。
- 出産直後〜産後数週間:赤ちゃん、胎盤、羊水、水分などの影響で体重が減りやすい
- 産後6〜8週間頃:体が出産から回復し、授乳のリズムも整い始める
- 産後2〜6か月頃:食事量と消費量のバランスによって体重差が出やすい
- 産後6か月以降:育児中の食生活や活動習慣の影響がより大きくなる
- 卒乳前後:授乳によるエネルギー消費が減り、体重が増えやすくなる人もいる
完全母乳で育てていても、産後1か月で大きく減る人もいれば、数か月間ほとんど変わらず、離乳食が始まる頃から減り始める人もいます。
反対に、授乳中はあまり減らなかったものの、卒乳後に生活リズムが整ってから体重が戻る人もいます。
つまり、「産後何か月までに何キロ減らなければならない」という基準で考えるより、体調、母乳の分泌、赤ちゃんの成長を確認しながら緩やかな変化を見ることが大切です。
私も1児の母として、産後は体重の数字以上に、まとまった睡眠を取ることや、自分の食事を落ち着いて用意することの難しさを感じました。
赤ちゃんのお世話をしながら妊娠前と同じ生活をするのは現実的ではないため、体重の戻りが遅くても、それだけで努力不足とはいえません。
完母で痩せやすいといわれる理由は?
完母で痩せやすいといわれる主な理由は、母乳を作るために多くのエネルギーが必要になるからです。
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルが2024年11月に更新した授乳中の体重減少に関する資料では、母乳の産生に必要なエネルギーは、1日あたり約500〜700kcalと説明されています。
元ネタとなった大島はり灸院の記事では、授乳によるエネルギー消費を1日約500〜800kcalとしています。
数値には資料による幅がありますが、授乳が母体にとって大きなエネルギーを使う活動である点は共通しています。
母乳の生成にエネルギーが使われる
母乳は母親の体内で作られ、赤ちゃんの成長に必要な水分、脂質、たんぱく質などを含んでいます。
母乳を作り続けるためには、食事から得たエネルギーだけでなく、妊娠中に蓄えられた脂肪の一部も利用されます。
そのため、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスによっては、授乳期間中に体重が減る可能性があります。
ただし、1日500〜700kcal程度が母乳産生に必要だからといって、その分がそのまま体脂肪の減少になるわけではありません。
授乳中は空腹や喉の渇きを感じやすくなるため、食べる量が増えれば消費分を上回ることもあります。
産後の体が妊娠前の状態へ戻っていく
出産後の約6〜8週間は産褥期と呼ばれ、子宮が収縮したり、悪露が排出されたりしながら、体が少しずつ妊娠前の状態に戻っていきます。
妊娠中に増えた血液量や体内の水分も変化するため、産後しばらくは授乳の有無にかかわらず体重が減りやすい時期です。
この自然な体重減少と、授乳に伴うエネルギー消費が重なることで、「完母にしたらすぐ痩せた」と感じる人もいます。
一方、産後の回復速度や妊娠中の体重増加量は人によって異なります。
母乳育児をしている人のほうが、していない人より体重が減る傾向を示した研究はありますが、完母なら誰でも大幅に痩せると保証するものではありません。
完母なのに痩せない理由は?
完母なのに痩せない場合、授乳で消費する以上のエネルギーを摂取しているほか、睡眠不足や活動量の低下などが関係している可能性があります。
「母乳をあげているのだから痩せるはず」と考えると焦りやすくなりますが、体重は授乳方法だけで決まるものではありません。
授乳中の空腹で食事量が増えている
母乳を作るにはエネルギーが必要なため、授乳中にお腹が空きやすくなるのは自然な反応です。
問題になりやすいのは、育児中でも手早く食べられる菓子パン、洋菓子、スナック菓子、甘い飲み物などが増えることです。
こうした食品を食べてはいけないわけではありませんが、量や回数が多くなると、授乳で使うエネルギーを摂取量が上回ることがあります。
また、「母乳のためにたくさん食べなければ」と考え、妊娠前より大幅に食事量を増やしているケースもあります。
授乳中には追加のエネルギーが必要ですが、際限なく食べてもよいという意味ではありません。
空腹を我慢するより、主食、たんぱく質、野菜などを組み合わせ、満足感が続く食事を選ぶほうが現実的です。
睡眠不足で食欲が乱れている
産後は、夜間授乳やおむつ替え、寝かしつけによって睡眠が細切れになりやすい時期です。
睡眠不足になると、食欲に関係するホルモンや自律神経の働きに影響が出て、甘い物や高カロリーな食品を欲しやすくなることがあります。
元ネタでは、睡眠不足によって食欲を促すグレリンが増え、満腹感に関係するレプチンが減少する可能性が説明されています。
ただし、赤ちゃんが小さい時期に「毎日しっかり8時間眠る」といった目標を立てても、実現できない家庭は少なくありません。
現実的には、家族に一部の家事や育児を任せる、昼寝できるときに休む、夜間の授乳以外を交代するなど、合計の休息時間を確保する工夫が必要です。
産後の活動量が減っている
授乳にはエネルギーを使いますが、それ以外の活動量が妊娠前より大幅に減っていれば、1日全体の消費エネルギーが増えるとは限りません。
特に産後しばらくは外出の機会が減り、授乳や抱っこで座っている時間が長くなります。
出産前に通勤や仕事、買い物などでよく歩いていた人ほど、産後の活動量低下が体重に表れやすいでしょう。
体が回復して医療従事者から運動を止められていなければ、短時間の散歩や軽いストレッチから始める方法があります。
最初から運動量を増やすのではなく、5分から10分程度でも体調を見ながら続けることが大切です。
妊娠中の増加量や妊娠前の体格が違う
産後に戻す必要のある体重は、妊娠中にどの程度増えたかによって異なります。
妊娠中の体重増加が比較的大きかった場合、授乳だけで妊娠前の体重まで戻るとは限りません。
また、2023年に発表された産後1年間の母体BMIに関する研究では、母乳育児による体重減少の影響は、妊娠前に体重が多めだった人で強く見られたと報告されています。
この結果からも、授乳と体重減少の関係はすべての人に同じ形で現れるわけではないことが分かります。
体重より体型の変化が目立っている
体重が妊娠前に近づいても、「お腹が戻らない」「下半身が大きく見える」と感じることがあります。
妊娠と出産では、腹部の筋肉や骨盤底筋、姿勢、体の使い方が変化します。
赤ちゃんを抱っこする際に反り腰になったり、授乳で前かがみの姿勢が続いたりすると、お腹が前に出て見えることもあります。
なお、「骨盤が歪んで内臓が下がるから痩せない」「産後6か月を過ぎると骨盤が固まり、二度と戻らない」といった説明には注意が必要です。
産後6か月を過ぎたから体型改善ができなくなるわけではありません。
骨盤ベルトや整体だけに頼るより、体調に合わせて姿勢、腹部や骨盤底筋の機能、日常の動作を整える視点が重要だと私は考えます。
完母で健康的に痩せるにはどうすればいい?
完母で健康的に痩せたい場合は、産後6〜8週間の回復を優先したうえで、極端な食事制限をせず、栄養のある食事と無理のない運動を組み合わせます。
授乳中は、自分の体重だけでなく、母乳の分泌や赤ちゃんの体重増加も確認しながら進める必要があります。
産後6〜8週間は回復を優先する
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルは、積極的な減量を始めるまで、通常は産後少なくとも6〜8週間待つことを勧めています。
産後の体は、外見以上に大きなダメージを受けています。
特に帝王切開、会陰切開、出血量が多かった場合、貧血がある場合などは、一般的な目安より回復に時間がかかる可能性があります。
産後1か月健診で問題がないといわれても、すぐに厳しい食事制限や激しい運動を始める必要はありません。
悪露が増える、痛みが強くなる、強い疲労感があるといった場合は活動量を落とし、必要に応じて産婦人科などへ相談してください。
1日1,800kcalを下回る食事制限は自己判断で行わない
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルの資料では、体重を減らしながら母乳の分泌を維持するため、1日少なくとも1,800kcalを摂取するよう案内しています。
ただし、必要なエネルギー量は身長、体重、年齢、活動量、授乳回数などによって異なります。
1,800kcalは、すべての人にとっての最適値を示すものではなく、少なくとも極端な低カロリー食を避けるための目安として考えるのが適切です。
自己流で食事量を大幅に減らすと、母親の体力が落ちるだけでなく、母乳の分泌量に影響する可能性があります。
めまい、強い倦怠感、動悸、母乳量の低下、赤ちゃんの体重増加が不十分といった心配がある場合は、産婦人科、小児科、助産師、管理栄養士などに相談しましょう。
主食を抜かず、栄養密度を意識する
授乳中の体重管理では、「食べないこと」より「何を選ぶか」が重要です。
毎食を理想的な一汁三菜に整えられなくても、次の3つをそろえるだけで食事の偏りを抑えやすくなります。
- ご飯、パン、麺類などの主食
- 肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質源
- 野菜、果物、海藻類などの副菜
和食は選択肢の一つですが、和食でなければならないわけではありません。
塩分の多い汁物や加工食品を頻繁に取れば、和食でも栄養バランスが崩れることがあります。
大切なのは特定の食事法を絶対視せず、さまざまな食品から必要な栄養を取ることです。
間食は我慢せず内容と量を整える
授乳中に空腹を我慢し続けると、次の食事で食べ過ぎたり、手軽な菓子類に偏ったりしやすくなります。
小さめのおにぎり、無糖ヨーグルト、果物、ゆで卵、チーズ、焼き芋、ナッツなどは、間食の選択肢になります。
ただし、ナッツやチーズは少量でもエネルギーが高いため、大袋から直接食べ続けるのではなく、1回分を小皿に出すと調整しやすくなります。
授乳のたびに甘い物を食べる習慣がある場合は、まず1回だけ別の食品に置き換えるなど、小さな変更から始めるほうが続きます。
喉の渇きに応じて水分を取る
母乳には多くの水分が含まれるため、授乳中は喉が渇きやすくなります。
元ネタでは1日2リットルを目安としていますが、必要量は気温、食事内容、体格、発汗量によって異なります。
一律に2リットルを飲めば痩せるわけではなく、大量の水を無理に飲む必要もありません。
授乳する場所に水や無糖のお茶を置き、喉が渇いたときにこまめに飲む方法が実践しやすいでしょう。
水分補給は脱水予防に役立ちますが、水を飲むだけで体脂肪が大きく減ると考えるのは適切ではありません。
軽い運動から徐々に始める
出産後すぐに始められる運動の範囲は、出産方法や体調によって異なります。
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルの資料では、軽い運動は産後早期から始められる場合があり、より強度の高い運動は一般的に産後6〜12週頃から安全に開始できると説明されています。
最初は、赤ちゃんとの散歩、軽いストレッチ、呼吸を意識した運動などから始めます。
運動と適切な食事調整を組み合わせるほうが、どちらか一方だけを行うより産後の体重減少に有効だとする2024年の報告もあります。
一方で、尿漏れ、骨盤周辺の痛み、傷の痛み、腹部の違和感がある場合は、無理に運動を続けないでください。
産後の体に詳しい医療従事者や理学療法士などへ相談する方法もあります。
授乳中の減量で避けたい方法は?
授乳中は、極端な糖質制限、長時間の断食、未確認の減量サプリメントなどを自己判断で行うことは避けたほうが安全です。
短期間で体重を落とす方法ほど、母親の栄養状態や母乳分泌への負担が大きくなる可能性があります。
極端な糖質制限やケトジェニックダイエット
たんぱく質、炭水化物、脂質は、体に多く必要な主要栄養素です。
授乳中に炭水化物を含む特定の栄養素を厳しく制限することは推奨されていません。
2024年の系統的レビューでは、授乳中に極端な低炭水化物食や厳しいケトジェニックダイエットを行った際、まれに授乳性ケトアシドーシスが起きたケースがまとめられています。
授乳性ケトアシドーシスは、吐き気、嘔吐、腹痛、強い倦怠感などを伴うことがある緊急性の高い状態です。
報告数が多いわけではありませんが、授乳中の体が通常より多くのエネルギーを必要としている点を考えると、極端な制限は避けるのが妥当です。
16時間断食などの断続的断食
8時間だけ食事を取り、残りの16時間は食べないといった断続的断食について、授乳中の安全性を判断できる十分な情報はありません。
元ネタの資料では、授乳中の時間制限食は推奨されていません。
授乳や夜泣きによって生活時間が不規則な時期に長時間食事を抜くと、強い空腹から一度に食べ過ぎたり、エネルギー不足で体調を崩したりする可能性があります。
食事間隔を厳密に制限するより、1日を通して少量ずつ栄養のある食品を取るほうが、授乳中には取り入れやすいでしょう。
減量サプリメントや置き換えシェイク
減量目的で販売されるサプリメントやシェイクには、授乳中の安全性が十分に調べられていないものがあります。
「天然成分」「母親向け」と書かれていても、授乳中に安全であることを意味するとは限りません。
置き換え食品だけで食事を済ませると、必要なエネルギーや栄養素を確保できない可能性もあります。
使用を考えている商品がある場合は、商品広告だけで判断せず、医師や薬剤師に成分を確認してください。
自己判断での減量薬の使用
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルの資料では、授乳中の1年間は減量を目的とした処方薬の使用を推奨していません。
経口薬は成分が母乳に移行する可能性があり、注射薬も、母親に吐き気、嘔吐、下痢、食事量の著しい低下などを起こせば、母乳分泌や栄養状態に影響するおそれがあります。
薬によって性質や安全性は異なるため、授乳中に使用できるかどうかは、処方する医師と個別に確認する必要があります。
インターネット上の体験談だけを根拠に開始したり、中止したりしないでください。
完母で痩せるペースはどのくらいが安全?
授乳中の減量は、1週間に約0.5kg、1か月に約2kgまでの緩やかなペースが一般的に安全で持続しやすい目安とされています。
これはラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルが紹介している、栄養学アカデミーの2022年の目安です。
ただし、毎月必ず2kg減らす目標を立てる必要はありません。
出産直後は水分量の変化によって急に減ることがあり、その後は数週間ほとんど変わらない場合もあります。
体重の変化を見るときは、毎日の増減に振り回されないことが重要です。
食事や水分、便通、測る時間、月経の再開などによって、体重は1日の中でも変動します。
週に1回、同じ時間帯と条件で測るなど、長い期間の傾向を見るほうが産後の体重管理には向いています。
また、次のような場合は、減量より体調の確認を優先してください。
- 短期間で体重が大きく減った
- 食べているのに体重減少が止まらない
- 動悸、手の震え、汗の増加がある
- 強い疲労感やめまいがある
- 気分の落ち込みや不安が強い
- 母乳量が急に減ったように感じる
- 赤ちゃんの体重増加を指摘された
産後には貧血や甲状腺機能の変化などが起こることもあります。
「授乳しているから痩せた」と自己判断せず、急激な体重減少や体調不良がある場合は医療機関へ相談することが大切です。
完母で痩せないときに見直したいポイント
完母で痩せないときは、授乳量だけを気にするのではなく、食事、間食、飲み物、睡眠、活動量を一つずつ確認します。
一度にすべてを改善しようとすると負担になるため、まずは実行しやすい項目を一つ選びましょう。
例えば、次のような方法があります。
- 甘い飲み物を1日1回だけ水や無糖のお茶に替える
- 菓子パンだけの食事に、ゆで卵やヨーグルトを加える
- 授乳する場所に水分を置く
- 週に数回、10分だけ散歩する
- 夜間の家事を一つ家族に任せる
- お菓子を袋のまま食べず、小皿に出す
- 毎日の体重測定を週1回に減らす
私見ですが、産後ダイエットでは「頑張る項目を増やす」よりも、「体重が減りにくい原因を一つ減らす」という考え方のほうが続けやすいと思います。
赤ちゃんのお世話で余裕がない時期に、食事記録、筋トレ、長時間の有酸素運動をすべて始めると、できなかった日の自己嫌悪が強くなりがちです。
まずは、授乳後に毎回食べているお菓子を一部変える、外出時に少しだけ歩くといった小さな調整で十分です。
また、完母で育てること自体を減量方法として選ぶべきではありません。
母乳育児にはさまざまな利点がありますが、母乳の分泌量、母親の体調、仕事への復帰、赤ちゃんの状態などによって、混合栄養やミルクを選ぶ家庭もあります。
完母かどうかと、母親としての価値は関係ありません。
混合栄養でも授乳によるエネルギー消費はあり、ミルク育児でも食事と活動量を整えることで体重管理は可能です。
完母と産後の体重減少についての考察
完母ならすぐに痩せるという言葉は、産後の母親にとって希望になる一方、体重が減らなかったときのプレッシャーにもなります。
授乳に1日約500〜700kcalのエネルギーが必要という数字だけを見ると、何もしなくても急速に痩せそうに感じるかもしれません。
しかし実際には、授乳によって食欲が増え、睡眠が不足し、妊娠前より活動量が減ることがあります。
複数の要素が同時に起きるため、授乳による消費量だけで体重の結果を予測することはできません。
私は、産後6か月までを「絶対に痩せなければならない期限」のように表現することには慎重であるべきだと考えます。
元ネタの一つでは、産後6か月までを体型が戻りやすいゴールデン期間と説明しています。
確かに、産後の早い時期から無理のない生活習慣を整えることには意味があります。
しかし、産後6か月を過ぎると脂肪が定着して痩せられなくなる、骨盤が固まって体型を戻せなくなると断定できるわけではありません。
育児環境によっては、産後6か月まで睡眠や食事を整える余裕がない人もいます。
その人に「ゴールデン期間を逃した」と思わせてしまえば、かえって無理な減量につながるおそれがあります。
産後1年を過ぎてからでも、食事内容や活動習慣を見直し、筋力や体力を回復させることは可能です。
もう一つ重要なのは、体重が減ることと健康になることが必ずしも同じではない点です。
授乳中に急激に痩せた場合、本人はダイエットに成功したと感じても、実際には食事量が足りず、筋肉量や体力が落ちている可能性があります。
反対に、体重があまり減らなくても、適切に食べて体力が戻り、赤ちゃんとの生活を安定して送れているなら、産後の回復として悪い状態とは限りません。
今後は「完母なら何キロ痩せるか」という単純な見方よりも、母親の睡眠、栄養、メンタルヘルス、活動量、赤ちゃんの成長を含めて評価する視点が重要になるでしょう。
体重計の数字だけでは、産後の回復状態は判断できません。
まとめ
完母で体重が減り始める時期には個人差があり、一般的には産後6〜8週間の回復期を経て、数か月かけて緩やかに変化していきます。
母乳を作るためには1日約500〜700kcalのエネルギーが必要とされますが、授乳中の食欲、睡眠不足、活動量、妊娠中の体重増加などによって、体重が減らないこともあります。
産後6〜8週間は体の回復を優先し、その後は極端な食事制限を避け、栄養のある食事と軽い運動を無理のない範囲で取り入れましょう。
完母なのに痩せないからといって、母乳の与え方や本人の努力に問題があるとは限りません。
母乳の分泌や赤ちゃんの体重増加を確認しながら、1週間に約0.5kg以内を目安に、急がず体調を整えることが大切です。
よくある質問
完母だと産後何か月から痩せますか?
決まった時期はありません。
出産直後に水分などが減る人もいれば、産後2〜6か月頃から緩やかに減る人、授乳中はほとんど変わらない人もいます。
完母なのに産後3か月で痩せないのはおかしいですか?
産後3か月で体重が減っていなくても、それだけで異常とはいえません。
食事量、睡眠、活動量、妊娠中の増加量などによって体重の戻り方は異なります。急な体重増加や体調不良がある場合は医療機関に相談してください。
完母なら食事を減らしても母乳は出ますか?
極端な食事制限は、母親の体調や母乳の分泌に影響する可能性があります。
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルは、減量中でも1日少なくとも1,800kcalを取るよう案内していますが、必要量には個人差があるため、心配な場合は医師や管理栄養士などへ相談しましょう。


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