トラベルシステムとは、赤ちゃんをベビーシートに乗せたまま、車・ベビーカー・室内の間を移動できる仕組みです。
ベビーカーとチャイルドシートを別々に乗り換える必要がないため、眠った赤ちゃんを起こしにくく、車でのお出かけが多い家庭を中心に注目されています。
ただし、すべてのベビーカーや車で使えるわけではなく、重さや使用期間、必要な付属品なども確認しなければなりません。
この記事では、トラベルシステムとはどのようなものなのか、仕組みや使い方、メリット・デメリット、初心者が選ぶ際のポイントまで分かりやすく解説します。
トラベルシステムとは?赤ちゃんを乗せたまま移動できる仕組み
トラベルシステムとは、持ち運び可能なベビーシートを、車のチャイルドシートやベビーカーの座席として兼用できる仕組みのことです。
車から降りるときは、赤ちゃんをベビーシートから抱き上げるのではなく、赤ちゃんが乗ったシートごと車から取り外します。
そのベビーシートを対応するベビーカーに取り付ければ、赤ちゃんの姿勢を大きく変えずに、そのまま移動を続けられます。
一般的な移動では、次のように赤ちゃんを何度も乗せ替えることがあります。
- 自宅から抱っこで車まで移動する
- 車のチャイルドシートに乗せる
- 到着後に抱き上げる
- ベビーカーへ乗せる
- 帰宅時に再びチャイルドシートへ乗せる
トラベルシステムを使う場合は、ベビーシート自体を車やベビーカーに付け替えるため、赤ちゃんを毎回抱き上げる作業を減らせます。
欧米では定番の育児用品として知られていますが、日本では一般的なベビーカーとチャイルドシートを別々に用意する家庭も多く、まだ仕組みがよく分からないという方も少なくありません。
ただ、日本でもカトージ、サイベックス、コンビ、アップリカなどがトラベルシステムに対応する製品を展開しています。
近年はカーシェアリングを利用する家庭や、出産後も車で頻繁に移動する家庭が増えたことで、選択肢の一つとして検討されやすくなっています。
ベビーカーとチャイルドシートが一体になった製品ではない
初めて聞くと、「ベビーカーがそのままチャイルドシートになるの?」と思いますよね。
しかし、ベビーカー本体を車に取り付けるわけではありません。
主に使用するのは、持ち手の付いた乳児用のベビーシートです。
このベビーシートを、次の場所へ付け替えて使用します。
- 車の後部座席
- 専用ベース
- 対応するベビーカー
- 自宅や外出先の床面
製品によっては、ベビーカーに装着するためのカーシートアダプターが必要です。
車への固定方法も、車のシートベルトを使用するタイプと、ISOFIX対応の専用ベースに取り付けるタイプがあります。
つまり、トラベルシステムとは一つの商品名ではなく、複数の育児用品を連携させて移動をスムーズにするシステム全体を指す言葉と考えると分かりやすいでしょう。
トラベルシステムはどう使う?車・ベビーカー・室内をつなぐ流れ
トラベルシステムの基本的な使い方は、赤ちゃんを室内でベビーシートに乗せ、シートごと車へ運び、到着後にベビーカーへ付け替えるという流れです。
具体的な使い方を順番に見ていきましょう。
1.室内で赤ちゃんをベビーシートに乗せる
まずは自宅の室内で、赤ちゃんをベビーシートに乗せてハーネスを装着します。
玄関を出てから慌てて乗せる必要がないため、パパやママは赤ちゃんの様子を確認しながら落ち着いて準備できます。
赤ちゃんをベビーシートに乗せたあとに、自分の靴を履いたり、荷物を確認したりできる点も便利です。
雨の日や寒い日も、屋外で赤ちゃんをチャイルドシートへ乗せる時間を短くしやすくなります。
2.ベビーシートごと車へ運ぶ
準備ができたら、持ち手を使ってベビーシートごと車へ運びます。
車では、後部座席に後ろ向きで取り付ける方法が一般的です。
シートベルト固定タイプでは、製品のベルトガイドに沿って3点式シートベルトを通し、安全に固定します。
専用ベースを車内に設置している場合は、ベビーシートをベースへはめ込むだけで装着できる製品もあります。
ただし、取り付け方法や適合条件は製品によって異なります。
「形が合いそうだから使える」と自己判断せず、必ず取扱説明書と車種別適合表を確認することが大切です。
3.到着後はベビーカーへ装着する
目的地に着いたら、赤ちゃんを抱き上げず、ベビーシートごと車から取り外します。
対応ベビーカーに専用アダプターを取り付け、ベビーシートを装着すれば、そのまま対面式のベビーカーとして移動できます。
赤ちゃんが車内で眠っていても、身体を抱き上げて座席を移す必要がありません。
もちろん、取り外す際の音や振動で赤ちゃんが目を覚ますことはあります。
それでも、抱き上げて体勢を変える場合に比べると、睡眠を妨げにくい点は大きな特徴です。
4.室内ではキャリーやチェアとして使う
トラベルシステム対応のベビーシートは、車やベビーカーだけでなく、室内へ持ち込める製品もあります。
実家や友人宅、飲食店などで赤ちゃんを寝かせる場所がない場合にも、赤ちゃん専用の居場所を確保しやすくなります。
一部の製品は持ち手の位置を変えたり、底面を揺らしたりすることで、ローチェアや簡易的なバウンサーのように使えると案内されています。
また、サイベックスのクラウドTシリーズやZシリーズのように、対応モデルではリクライニングによってフルフラットに近い姿勢へ変えられ、コンパクトベッドとして使える製品もあります。
ただし、すべてのベビーシートに同じ機能があるわけではありません。
「トラベルシステムなら必ずバウンサーやベッドになる」と考えず、各製品が公式に認めている使用方法を確認しましょう。
トラベルシステムは1台何役?代表的な機能を解説
トラベルシステムは「1台5役」と紹介されることがあります。
代表的な機能は、ベビーカー、チャイルドシート、ベビーキャリー、チェア、バウンサーの5つです。
ただし、実際の機能や使用条件は製品ごとに異なるため、ここでは一般的な役割として整理します。
| 使い方 | 主な役割 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| ベビーカー | 対応ベビーカーへ装着して移動する | 専用アダプターの有無 |
| チャイルドシート | 車の後部座席へ後ろ向きに固定する | 車種適合、固定方法 |
| ベビーキャリー | 赤ちゃんを乗せたまま持ち運ぶ | 本体重量、持ち手の形状 |
| チェア | 室内や外出先で赤ちゃんの居場所にする | 許可された使用時間や姿勢 |
| バウンサー | 底面を揺らして赤ちゃんをあやす | 対応モデルかどうか |
ベビーカーとして使う
トラベルシステム対応のベビーシートをベビーカーへ装着すると、赤ちゃんと向かい合う対面式ベビーカーとして使えます。
一般的なベビーカーには生後1か月頃から使える製品が多い一方、対応するベビーシートは新生児期から使えるものがあります。
そのため、製品の対象条件を満たしていれば、退院時からベビーカーで移動できる場合があります。
ただし、「新生児から使える」という表現だけで判断するのは避けたいところです。
身長や体重、使用できる月齢、インレイの有無など、製品ごとに細かな条件が定められています。
チャイルドシートとして使う
車では乳児用チャイルドシートとして、後部座席に後ろ向きで取り付けます。
取り付け方法は、大きく分けて次の2種類です。
- 車の3点式シートベルトで固定する
- ISOFIX対応の専用ベースへ装着する
シートベルト固定は、専用ベースがない車でも使いやすいことが利点です。
実家の車や友人の車、レンタカー、カーシェアなどで使用できる可能性があります。
一方で、ベルトを通す位置や締め方を間違えると、本来の安全性能を発揮できないおそれがあります。
専用ベースは着脱が簡単になりやすいものの、ベースの購入費用や車種適合の確認が必要です。
ベビーキャリーとして使う
赤ちゃんを乗せたまま運べることは、トラベルシステムを象徴する機能です。
車から自宅へ、駐車場から病院へ、ベビーカーを使いにくい店内へと、シートごと移動できます。
ただし、ベビーシート本体が約3〜4.5kgあり、そこに赤ちゃんの体重が加わります。
たとえば、本体が4kgで赤ちゃんが6kgなら、持ち運ぶ重量は合計約10kgです。
「持ち手があるから軽々と運べる」というわけではありません。
短距離では便利でも、階段や長い移動では腕や腰への負担が大きくなる可能性があります。
チェアやバウンサーとして使う
外出先で赤ちゃんの居場所を作りやすいことも、トラベルシステムの魅力です。
実家へ帰省したときや友人宅へ遊びに行ったとき、赤ちゃんを直接床へ寝かせにくい場面がありますよね。
持ち運んだベビーシートを指定された方法で設置できれば、新たにベビーチェアやバウンサーを持参せずに済む場合があります。
ただし、チャイルドシートは本来、車内で赤ちゃんを保護するために設計された製品です。
室内で長時間眠らせることや、食事用チェアとして使用することが推奨されていない製品もあります。
使用時間や姿勢の制限を含め、メーカーの説明書にない使い方は避けましょう。
トラベルシステムのメリットは?便利さを感じやすい5つの場面
トラベルシステムの最大のメリットは、赤ちゃんを乗せ替える回数を減らし、移動を一つの流れにできることです。
とくに車移動が多い家庭では、日々の小さな負担を減らしやすいと考えられます。
眠った赤ちゃんを起こしにくい
赤ちゃんが車の中でようやく眠った直後に目的地へ到着し、抱き上げた途端に泣き始めた経験がある方もいるのではないでしょうか。
トラベルシステムなら、赤ちゃんをベビーシートに乗せたまま車から降ろし、ベビーカーや室内へ運べます。
完全に起こさず移動できるとは限りませんが、身体を抱き上げて別の座席に移すよりも、姿勢の変化を小さくできます。
赤ちゃんの眠りを守ることは、パパやママの休息や予定の進めやすさにもつながります。
寝かしつけが振り出しに戻る負担を減らせるだけでも、助かる家庭は多いのではないかなと思います。
新生児期から使える製品がある
対応するベビーシートの多くは、新生児期から使用できるよう設計されています。
たとえば、サイベックスが紹介するトラベルシステム対応のベビーシートには、身長45cmから87cm、新生児から生後18か月頃までを対象とする製品があります。
カトージの紹介では、新生児期から1歳頃までの外出に向くアイテムとされています。
ただし、使用できる期間は製品ごとに異なります。
「1歳まで」「18か月頃まで」といった月齢は目安であり、実際には身長や体重の上限に先に達することもあります。
赤ちゃんの成長に合わせて、対象条件を定期的に確認しましょう。
他の人の車やカーシェアでも使いやすい
3点式シートベルトで固定できる製品であれば、適合する実家の車やレンタカー、カーシェアで使用できる可能性があります。
車を所有していなくても、週末や帰省時に車を使う家庭には便利です。
自分専用のベビーシートを持ち運べるため、利用するたびにチャイルドシートを借りられるか確認する負担も減らせます。
ただし、どの車にも取り付けられるわけではありません。
座席の形状、シートベルトの長さ、ISOFIX金具の位置、床下収納、サポートレッグの設置条件などによって、使用できない場合があります。
必ずメーカーが公開する車種別適合表を確認してください。
夏場に熱くなったシートへ乗せずに済む
一般的な据え置き型チャイルドシートは、車内に付けたままにする家庭が多いですよね。
夏場の車内は高温になりやすく、シートやバックルが熱くなることがあります。
トラベルシステム対応のベビーシートは室内に持ち込めるため、出発直前まで比較的涼しい場所へ置いておけます。
ただし、ベビーシートを室内に保管していても、車内そのものが高温であれば赤ちゃんの負担は避けられません。
乗車前の換気やエアコンによる温度調整、赤ちゃんの汗や顔色の確認は必要です。
外出先で赤ちゃんの居場所を作りやすい
飲食店や帰省先では、赤ちゃんをどこへ寝かせればよいか迷うことがあります。
トラベルシステムなら、対応する使い方の範囲でベビーシートを持ち込み、赤ちゃんの居場所にできます。
私も子どもが小さい頃、実家へ出かけるたびに、寝かせる場所や持っていく荷物を考えるだけで疲れてしまったことがありました。
赤ちゃん専用の場所をそのまま運べる仕組みは、移動そのものだけでなく、「到着後にどう過ごすか」という悩みまで軽くしてくれると感じます。
一方で、外出先で長時間そのまま寝かせ続けてよいとは限りません。
赤ちゃんの姿勢や呼吸の様子を確認し、必要に応じて安全な寝床へ移すことも大切です。
トラベルシステムのデメリットは?購入前に知りたい注意点
便利に見えるトラベルシステムですが、どの家庭にも向いているわけではありません。
購入後に「思ったより使わなかった」とならないためには、重さや使用期間、取り付けの手間まで現実的に考える必要があります。
赤ちゃんを乗せると想像以上に重い
トラベルシステム対応のベビーシートは、軽量モデルでも約3〜4kg台です。
サイベックスの例では、クラウドG3が新生児用インレイを除いて4.0kg、クラウドT i-Sizeが4.5kgと案内されています。
ここに赤ちゃんの体重が加わるため、合計重量が10kg前後になることも珍しくありません。
さらにベビーカーへ装着すると、ベビーカー本体と合わせて10kgを超える場合があります。
押して移動するだけなら安定感につながることもありますが、階段で持ち上げる場面や、公共交通機関で折りたたむ場面では負担になります。
購入前には、空のシートだけを持つのではなく、できれば赤ちゃんに近い重さを想定して持ち上げてみるとよいでしょう。
店舗で試せる場合は、ベビーカーへ装着した状態で方向転換や段差の乗り越えも確認するのがおすすめです。
シートベルト固定に慣れが必要
専用ベースを使わず、車のシートベルトで固定する場合は、乗車のたびに取り付け作業が必要です。
一般的には、ベビーシートを後ろ向きに置き、左右や背面のベルトガイドへ3点式シートベルトを通して固定します。
しかし、ベルトを通す位置や角度は製品によって異なります。
慣れれば短時間で取り付けられることもありますが、最初は説明書を見ても難しく感じるかもしれません。
急いでいるときほど取り付けミスが起こりやすいため、出産前や使用開始前に何度か練習しておくと安心です。
自家用車で頻繁に使う場合は、専用ベースを設置したほうが毎回の負担を減らしやすいでしょう。
対応するベビーカーや車が限られる
トラベルシステムは、ベビーシートとベビーカーを自由に組み合わせられる仕組みではありません。
対応するメーカーやモデル、専用アダプターが指定されています。
サイベックスでは、プリアム、ミオス、コヤ、メリオカーボン、ガゼルS、オルフェオ、リベルなど、複数のベビーカーが対象として紹介されています。
ただし、モデルや発売時期によって対応条件が異なります。
たとえば、旧コヤにはクラウドGシリーズを装着できないと案内されており、クラウドG i-Sizeをコヤへ装着できないという注意事項もあります。
見た目が似ていても、旧型と現行型で対応しないことがあるため注意が必要です。
ベビーシート、ベビーカー、アダプター、専用ベースをそれぞれ別に購入する場合は、全製品の正式な型番を照合しましょう。
使用できる期間が比較的短い
ベビーシート部分は、新生児期から1歳頃、長い製品でも生後18か月頃までが目安です。
月齢の上限に達していなくても、身長や体重が使用条件を超えれば卒業となります。
ベビーカー本体はその後も通常のシートへ切り替えて3歳頃まで使える場合がありますが、持ち運べるベビーシートとしての期間は限られます。
また、日本では6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務付けられています。
乳児用ベビーシートを卒業したあとは、成長に合うチャイルドシートやジュニアシートへ買い替える必要があります。
使用期間の短さに対して価格が高いと感じる方もいるでしょう。
利用頻度が少ない家庭では、購入だけでなくレンタルも比較する価値があります。
飛行機では使えない製品もある
持ち運べるチャイルドシートだからといって、飛行機の客席で必ず使えるわけではありません。
航空会社が認める安全基準を満たし、機内の2点式シートベルトで固定できるなどの条件があります。
一方、多くのトラベルシステムは、自動車の3点式シートベルトで固定する設計です。
機内で使用したい場合は、製品が航空機対応かどうかに加え、利用する航空会社の規定も確認する必要があります。
赤ちゃん用の座席予約や運賃が必要になる場合もあります。
旅行目的で選ぶ方は、「持ち運べるから飛行機でも使えるだろう」と判断せず、予約前に航空会社へ問い合わせるほうが確実です。
トラベルシステムを選ぶポイントは?初心者が確認したい7項目
トラベルシステム選びでは、人気やデザインだけでなく、生活の中で本当に使いこなせるかを確認することが重要です。
とくに次の7項目は、購入前にチェックしておきましょう。
1.車移動の頻度
トラベルシステムの便利さを感じやすいのは、車からベビーカーへ頻繁に移動する家庭です。
週に何度も車で買い物や通院へ出かける家庭なら、乗せ替えを減らせる恩恵は大きくなります。
反対に、徒歩や電車移動が中心で車をほとんど使わない場合は、ベビーシートの重さが負担になりやすいでしょう。
カーシェアを月に数回利用する程度なら、毎回シートベルトで固定する手間も含めて検討する必要があります。
2.ベビーシートの重さ
本体重量は、赤ちゃんを乗せて持ち運ぶ負担に直結します。
4.0kgと4.5kgでは差が小さく見えますが、赤ちゃんと荷物を同時に持つ場面では、500gの差も意外と大きく感じます。
自宅から駐車場までの距離や、階段の有無も考えましょう。
マンションでエレベーターがない場合や、駐車場が遠い場合は、キャリーとして使う距離が長くなります。
3.車への取り付け方法
自家用車で毎日使うなら、ISOFIX対応の専用ベースが便利です。
ベースを車内へ固定しておけば、ベビーシートをはめ込むだけで装着できる製品があります。
複数の車やカーシェアで使うなら、3点式シートベルトでも固定できる製品が柔軟です。
ただし、製品によっては専用ベースの種類が決まっています。
同じメーカーでも世代によって互換性がないことがあるため、セット内容と型番を確認しましょう。
4.車種適合
チャイルドシートは、安全基準を満たしていても、すべての車へ装着できるわけではありません。
購入前にメーカーの車種別適合表で、使用する車のメーカー名、車種名、型式、年式、座席位置を確認してください。
SUVやミニバンなど座席位置が高い車では、ベビーシートの持ち上げや乗せ降ろしが大変になる場合があります。
小柄な方は、店舗で実際の高さに近い状態を試してみると安心です。
5.ベビーカーとの互換性
ベビーシートとベビーカーが同じメーカーでも、必ず取り付けられるとは限りません。
専用のカーシートアダプターが付属するモデルもあれば、別売りのアダプターが必要なモデルもあります。
サイベックスの例では、プリアムスタイルやe-プリアムスタイルは専用アダプターが付属する一方、ミオス、コヤ、メリオカーボン、ガゼルS、オルフェオ、リベルなどでは、別売りアダプターが必要になる場合があります。
本体価格だけを見て購入すると、あとからアダプターやベースの費用が加わることがあります。
必要な部品をすべて含めた総額で比較しましょう。
6.安全基準と使用条件
チャイルドシートの安全基準、対象身長、対象体重、使用できる向きなどを確認します。
安全基準を満たしていることはもちろんですが、正しい方法で取り付けなければ安全性は保てません。
また、バウンサー、チェア、ベッドとしての使い方は、メーカーが正式に認めている場合に限りましょう。
説明書にない使い方や、長時間の連続使用は避ける必要があります。
7.卒業後の計画
ベビーシートを卒業したあと、ベビーカーとチャイルドシートをどうするかも考えておきたいポイントです。
ベビーカーは通常の座席へ切り替えて長く使えるのか、次のチャイルドシートはいつ購入するのかを確認しましょう。
乳児期だけトラベルシステムを使いたい場合は、短期間のレンタルも選択肢になります。
一方、きょうだいへ引き継ぐ予定がある家庭や、毎日のように車を使う家庭では、購入したほうが使いやすいこともあります。
価格だけでなく、使用回数と負担軽減の大きさで考えることが大切です。
トラベルシステムが向いている家庭・向かない家庭
トラベルシステムは便利な仕組みですが、生活環境によって満足度が大きく変わります。
向いている家庭と、慎重に検討したほうがよい家庭を整理します。
トラベルシステムが向いている家庭
次のような家庭は、メリットを感じやすいと考えられます。
- 車で買い物や通院へ行くことが多い
- 新生児期から外出する予定がある
- 車からベビーカーへの乗せ替えを減らしたい
- 実家や友人の車に乗る機会が多い
- カーシェアやレンタカーを利用する
- 外出先で赤ちゃんの居場所を確保したい
- 自宅から駐車場までの距離が短い
- ベビーシートを持ち運べる体力や環境がある
とくに、駐車場から目的地までベビーカーを使うことが多い家庭では、車とベビーカーをつなぐ仕組みが役立ちます。
病院やショッピングモール、保育施設への送迎など、短い移動を何度も繰り返す生活とも相性がよいでしょう。
慎重に検討したほうがよい家庭
一方で、次の条件に当てはまる場合は、通常のベビーカーと長く使えるチャイルドシートを別々に用意したほうが使いやすい可能性があります。
- 徒歩や電車での移動が中心
- 階段を使うことが多い
- 軽いベビーカーを優先したい
- 車をほとんど利用しない
- 使用期間の短い用品を増やしたくない
- 収納場所が限られている
- アダプターや専用ベースを管理するのが負担
- 予算をできるだけ抑えたい
トラベルシステムは多機能ですが、「1台あればほかの育児用品がすべて不要になる」とは限りません。
赤ちゃんの成長後には別のチャイルドシートが必要になり、生活環境によっては抱っこ紐や通常のベビーカーも併用します。
多機能であることよりも、自分の生活で何回その機能を使うのかを考えることが大切です。
私が考えるトラベルシステムの本当の価値と注意点
私が考えるトラベルシステムの価値は、育児用品を一つにまとめられることだけではありません。
本当の魅力は、赤ちゃんとの移動に発生する細かな中断を減らせる点にあると思います。
赤ちゃんとの外出では、荷物を準備し、服を着せ、抱っこして車へ運び、チャイルドシートへ乗せるだけでも時間がかかります。
目的地へ着けば、また抱き上げてベビーカーへ移さなければなりません。
一つひとつは短い作業でも、赤ちゃんが泣いていたり、雨が降っていたり、自分一人で対応していたりすると、大きな負担になりますよね。
トラベルシステムは、その途中にある「抱き上げて乗せ替える作業」を減らしてくれます。
赤ちゃんが眠った状態を保ちやすくなるだけでなく、パパやママが落ち着いて次の行動へ移りやすくなることも重要です。
一方で、「多機能だからお得」という理由だけで選ぶのは慎重になったほうがよいと感じます。
ベビーシートをバウンサーやチェアとして使える製品でも、一般的なバウンサーやベビーベッドと同じ目的で、長時間使えるとは限りません。
また、赤ちゃんが成長するほど持ち運びは重くなります。
新生児期には便利でも、生後半年頃になると「シートごと持つより抱っこしたほうが楽」と感じる家庭もあるでしょう。
そのため、トラベルシステムは「何役あるか」よりも、車とベビーカーを行き来する回数がどの程度あるかを基準に選ぶのがおすすめです。
毎日の送迎や通院、買い物で使うなら、数か月間でも十分に価値を感じられる可能性があります。
反対に、月に一度しか車を使わないなら、購入費用や保管場所に対して使用回数が少なくなるかもしれません。
もう一つ見落としやすいのが、製品単体の軽さではなく「赤ちゃんを含めた総重量」です。
商品ページでは本体重量が目立ちますが、実際に運ぶときは赤ちゃんの体重と、場合によってはブランケットなどの重さも加わります。
購入前には、シート本体の数字だけを比べるのではなく、生後半年頃の赤ちゃんを乗せた状態まで想像してみてください。
トラベルシステムは、赤ちゃんとの外出を魔法のように楽にしてくれる道具ではありません。
それでも、自分の生活動線に合えば、移動のたびに積み重なる負担を確実に減らしてくれる仕組みだと私は考えます。
まとめ
トラベルシステムとは、赤ちゃんをベビーシートに乗せたまま、車・ベビーカー・室内へ移動できる仕組みです。
ベビーカー、チャイルドシート、ベビーキャリー、チェア、バウンサーなど、複数の用途に対応する製品があります。
最大のメリットは、眠った赤ちゃんを抱き上げずに移動しやすく、車とベビーカーの乗せ替え負担を減らせることです。
一方で、赤ちゃんを乗せると重くなること、対応する車やベビーカーが限られること、ベビーシートの使用期間が比較的短いことなどのデメリットもあります。
購入前には、車種適合、固定方法、ベビーカーとの互換性、必要なアダプター、安全基準、卒業後のチャイルドシートまで確認しましょう。
トラベルシステムが必要かどうかは、機能の多さではなく、家庭の移動手段や外出頻度によって決まります。
車での外出が多く、赤ちゃんの乗せ替えを少しでも減らしたい家庭にとっては、心強い選択肢になるでしょう。
よくある質問
トラベルシステムはいつからいつまで使えますか?
新生児期から1歳頃まで使える製品が多く、製品によっては生後18か月頃までを目安としています。
ただし、月齢ではなく身長や体重の上限に先に達する場合があります。必ず各製品の対象身長・体重を確認してください。
トラベルシステムには専用アダプターが必要ですか?
ベビーカーや製品によって異なります。
アダプターが付属するモデルもありますが、別売りの専用カーシートアダプターが必要な場合もあります。ベビーシートとベビーカーの正式な型番を確認しましょう。
トラベルシステムはどの車にも取り付けられますか?
どの車にも取り付けられるわけではありません。
3点式シートベルトやISOFIXに対応していても、座席形状や車種によって使用できない場合があります。購入前にメーカーの車種別適合表を確認してください。


コメント