離乳食の納豆は、一般的に生後7〜8か月頃の離乳中期から、加熱して細かく刻んだものを少量ずつ与え始めます。
初めては小さじ1より少ない量から試し、大豆アレルギーや丸のみへの注意も必要です。この記事では、月齢別の量や形状、湯通しの方法、冷凍保存のポイントまで分かりやすく解説します。
離乳食の納豆はいつから食べられる?
納豆を離乳食として与え始める時期の目安は、生後7〜8か月頃の離乳中期です。
生後7〜8か月頃は、離乳食を始めて1か月ほどが経過し、1日2回食へ進む赤ちゃんが多い時期です。
厚生労働省が2007年に策定した「授乳・離乳の支援ガイド」では、生後7〜8か月頃から舌でつぶせる固さの食べ物を与え、食品の種類を少しずつ増やしていくことが示されています。
現在、こども家庭庁では2019年3月に改定された「授乳・離乳の支援ガイド」が案内されています。離乳食は生後5〜6か月頃に始め、赤ちゃんの発達や食べる様子に合わせて進めるのが基本です。CFA Japan+1
納豆は大豆を発酵させた食品ですが、独特の粘りや粒があります。
そのため、なめらかなペーストを飲み込む練習が中心となる離乳初期ではなく、豆腐や白身魚などのたんぱく質食品に慣れてから取り入れると進めやすいでしょう。
月齢だけで判断しないことも大切
「生後7か月になったら、必ず納豆を食べさせなければならない」という意味ではありません。
次のような様子が見られるかを確認してください。
- 離乳食を始めて1か月ほど経っている
- 1日2回食に進んでいる
- 豆腐など、ほかのたんぱく質食品を食べた経験がある
- 水分の多いペーストだけでなく、少し粒のある食事も飲み込める
- 舌でつぶせる程度の固さを嫌がらずに食べられる
- 食後に大きく体調を崩すことがない
離乳食の進み方には個人差があります。
厚生労働省のガイドでも、乳児の食欲や摂食行動、成長・発達、家庭の食習慣などを考慮し、画一的に進めないことが重要とされています。
私は一児の母として、初めての食材を試すときほど「生後何か月なら大丈夫なのか」「何g食べさせれば正解なのか」と数字に答えを求めたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、同じ月齢でも食べられる固さや一度に飲み込める量は異なります。月齢は目安として使い、実際には赤ちゃんの口の動きや食後の様子を優先することが大切です。
初めて納豆を与える量はどのくらい?
初めて納豆を与えるときは、加熱して細かくした納豆を小さじ1より少ない量から試します。
納豆は大豆から作られており、大豆はアレルギー症状を起こす可能性がある食品です。
「小さじ1を全部食べさせる」のではなく、赤ちゃん用スプーンの先に少しのせる程度から始めても構いません。
食べた後に問題がなければ、別の日に少しずつ増やしていきましょう。
月齢別の納豆の目安量と形状
納豆を与える量や形状の目安は、次のとおりです。
| 離乳食の時期 | 月齢の目安 | 1回の目安量 | 食べやすい形状 |
|---|---|---|---|
| 離乳中期 | 生後7〜8か月頃 | 10〜15g程度 | 湯通しして細かく刻む |
| 離乳後期 | 生後9〜11か月頃 | 15〜18g程度 | みじん切りから粗みじん切り |
| 離乳完了期 | 1歳〜1歳6か月頃 | 20g程度 | 粗く刻み、よくかんでいるか確認する |
この量は、1食で与えるたんぱく質食品の一例としての目安です。
魚や肉、豆腐、卵、乳製品などを同じ食事で組み合わせる場合は、それぞれを目安量いっぱいまで与えるのではなく、全体の量を調整します。
例えば、納豆と豆腐を一緒に使う場合、納豆を15g、豆腐を30〜40gと両方とも上限まで与える必要はありません。
主食、野菜・果物、たんぱく質食品を組み合わせながら、食事全体のバランスを見てください。
市販の離乳食の進め方でも、生後7〜8か月頃のたんぱく質食品は、魚や肉なら1回10〜15g、豆腐なら30〜40gなど、食品ごとに量の目安が異なります。和光堂わこちゃんカフェ
目安量を食べ切らなくても問題とは限らない
赤ちゃんが表の量を食べ切らないからといって、すぐに発育上の問題があるとは限りません。
離乳食を始めたばかりの頃は、栄養を完全に離乳食だけで取るのではなく、食べ物の味や舌触り、飲み込み方に慣れることも大きな目的です。
食べる量には日によって差があり、眠気や機嫌、授乳の時間、体調などでも変化します。
食事量の評価は、1回食べた量だけではなく、母子健康手帳などの成長曲線に身長と体重を記録し、その子なりのカーブに沿って成長しているかで確認します。
体重が増えない状態が続く、成長曲線から外れていく、急激な体重増加があるといった場合は、医師や保健師、管理栄養士などに相談しましょう。
離乳食の納豆はどう下ごしらえする?
離乳中期に納豆を与える場合は、湯通しして粘りやにおいを弱め、赤ちゃんが食べられる大きさまで細かく刻みます。
納豆はそのままだと粘りが強く、粒の大きさによっては赤ちゃんが十分につぶせず、丸のみしてしまう可能性があります。
初めて与えるときは、次の手順で下ごしらえすると食べやすくなります。
1. 納豆を必要な分だけザルや茶こしに入れる
2. 上から熱湯を回しかける
3. 水分をよく切る
4. 包丁やすり鉢で細かく刻む
5. おかゆや柔らかく煮た野菜などに混ぜる
6. 食べる直前に温度を確認する
湯通しすると、納豆特有の粘りやにおいが軽くなります。
ただし、湯通しだけで大豆アレルギーを防げるわけではありません。加熱してもアレルギー症状が起こる可能性はあるため、初めての日は少量にしてください。
ひきわり納豆なら刻む手間を減らせる
離乳食には、最初から細かく砕かれているひきわり納豆が便利です。
粒納豆を包丁で刻むと粘りがまな板や包丁に広がりやすいのですが、ひきわり納豆なら下ごしらえの負担を減らせます。
ただし、「ひきわりだから、そのまま食べさせても大丈夫」とは限りません。
商品によって粒の大きさが異なるため、離乳中期には湯通ししたうえで、必要に応じてさらに細かくしてください。
また、ひきわり納豆も粒納豆も原材料は大豆です。アレルギーに関する注意点は変わりません。
付属のたれやからしは使わない
市販の納豆についているたれやからしは、離乳食には使用しません。
たれには、しょうゆや砂糖、だしなどが含まれていることがあり、赤ちゃんにとって味が濃くなりやすいからです。
厚生労働省のガイドでは、離乳開始頃には調味料は必要なく、離乳が進んで使用する場合も、食品本来の味を生かして薄味にすることが示されています。
納豆そのものにも風味があるため、まずは味付けをせずに与えてみましょう。
食べにくそうな場合は、たれを足すのではなく、次のような食材と混ぜる方法があります。
- おかゆ
- 柔らかく煮たにんじん
- ほうれん草の葉先
- かぼちゃ
- じゃがいも
- だしで煮た野菜
- 月齢に合った柔らかさのうどん
水分のあるおかゆや野菜と混ぜると、納豆が一か所に固まりにくくなり、スプーンですくいやすくなります。
納豆を冷凍保存する方法と注意点
納豆は、湯通しして細かくした後、1回分ずつ小分けにして冷凍できます。
毎回納豆を刻むのが負担になる場合は、数回分をまとめて下ごしらえしておくと便利です。
冷凍保存の手順
- 清潔な調理器具を使用する
- 納豆を湯通しする
- 月齢に合った大きさに刻む
- 1回分ずつラップや離乳食用容器に分ける
- 調理日が分かるように記録する
- できるだけ早めに冷凍庫へ入れる
家庭で冷凍した離乳食は長期間保存せず、目安として1週間程度で使い切ると管理しやすいでしょう。
冷凍庫の状態や調理環境によって保存状態は変わるため、においや色、乾燥状態などに違和感があるものは使用しないでください。
解凍後は十分に加熱する
冷凍した納豆は、電子レンジや鍋などを使って中心まで十分に再加熱します。
電子レンジでは加熱ムラが起こりやすいため、途中でよく混ぜてください。
加熱後は熱い部分が残っていないか確認し、人肌程度まで冷ましてから与えます。
一度解凍したものを再冷凍したり、赤ちゃんが口をつけた食べ残しを保存したりするのは避けましょう。
赤ちゃんは大人よりも細菌への抵抗力が弱いため、離乳食では「作り置きできるか」だけでなく、手洗い、器具の洗浄、加熱、保存時間まで含めた衛生管理が重要です。
離乳食で納豆を与えるときの注意点は?
納豆を離乳食に使うときは、大豆アレルギー、丸のみ、たんぱく質食品の重ね過ぎに注意します。
納豆は取り入れやすい食品ですが、栄養価が高いからといって、たくさん食べさせるほどよいわけではありません。
初めては平日の日中に少量から試す
納豆の原材料である大豆は、アレルギー症状を起こす可能性があります。
初めて与える日は、赤ちゃんの体調がよく、医療機関を受診しやすい平日の日中を選ぶと安心です。
納豆だけでなく、同じ食事で複数の新しい食品を初めて与えるのは避けましょう。
一度に何種類も試すと、症状が出た場合に原因となった食品を判断しにくくなるためです。
食べた後は、次のような変化がないか確認してください。
- 口の周りや顔が赤くなる
- じんましんのような発疹が出る
- まぶたや唇が腫れる
- 繰り返し吐く
- 下痢をする
- せき込む
- ゼーゼーする
- 顔色が悪くなる
- ぐったりする
症状の程度や対応については自己判断せず、医療機関へ相談してください。
呼吸が苦しそう、意識がもうろうとしている、ぐったりして反応が弱いなど、緊急性が疑われる場合は、すぐに救急要請を検討します。
アレルギーが心配でも開始を遅らせない
食物アレルギーが心配だからという理由だけで、離乳食全体の開始時期を遅らせることは推奨されていません。
東京都のアレルギー情報では、離乳食の開始を遅らせても食物アレルギーの発症を予防する効果はなく、通常どおり生後5〜6か月頃から開始すると案内されています。
湿疹がある子どもは食物アレルギーの発症リスクが高いことが知られているため、自己判断で食材を避け続けるのではなく、皮膚症状の治療や離乳食の進め方を医師に相談することが大切です。
自治体の離乳食案内でも、家族にアレルギー疾患がある場合や赤ちゃんに症状がある場合について、基本的には離乳食の開始を遅らせず、主治医や栄養士へ相談するよう案内されています。大阪市公式ウェブサイト
すでに大豆を食べて症状が出たことがある場合や、医師から除去を指示されている場合は、自己判断で納豆を試さないでください。
丸のみしていないか確認する
納豆は柔らかい一方で、粘りによって粒がまとまり、つるりと飲み込めてしまうことがあります。
特に粒納豆をそのまま与えると、十分にかまずに丸のみする可能性があります。
離乳中期は細かく刻み、離乳後期以降も食べる様子を確認してください。
食べ物を口に入れたまま笑わせたり、歩きながら食べさせたりすることも避けます。
赤ちゃんを安定した姿勢で座らせ、大人がそばで見守りながら食べさせましょう。
納豆だけに偏らせない
納豆にはたんぱく質や食物繊維、鉄、ビタミンKなどが含まれています。
一方で、離乳食では一つの食品だけに頼るのではなく、魚、肉、豆腐、卵、乳製品など、さまざまなたんぱく質食品を経験することも重要です。
特に生後9か月頃からは鉄が不足しやすくなるため、厚生労働省のガイドでは赤身の魚や肉、レバー、育児用ミルクなどを活用する工夫が示されています。
納豆にも鉄は含まれますが、「納豆を食べていれば鉄対策は十分」とは言い切れません。
納豆は便利なたんぱく質食品の一つとして取り入れ、主食や野菜、ほかのたんぱく質食品と組み合わせましょう。
納豆を食べないときはどうすればいい?
納豆を嫌がる場合は、無理に完食させず、形状や組み合わせを変えて別の日に試します。
納豆特有のにおいや粘りが苦手な赤ちゃんもいます。
一度食べなかったからといって、「納豆が嫌い」「大豆製品を食べられない」と決める必要はありません。
次のような方法を試してみてください。
- 熱湯をかけてにおいと粘りを弱める
- ひきわり納豆をさらに細かくする
- おかゆに少量だけ混ぜる
- かぼちゃやじゃがいもに混ぜる
- だしで煮た野菜と和える
- 量を減らして一口だけ試す
- 数日空けてから改めて与える
温度が原因で嫌がることもあります。
熱すぎないか、冷たすぎないかを確認し、赤ちゃんが普段食べやすい温度に整えましょう。
また、空腹過ぎて機嫌が悪いときや、眠いとき、体調が悪いときは、新しい食品を受け入れにくくなります。
納豆を食べることだけを目標にせず、落ち着いて食事を楽しめる時間帯を選ぶことも大切です。
厚生労働省のガイドでは、子どもの様子を見ながら離乳食を進め、強制しないこと、食べる楽しさを体験できるようにすることが重視されています。
私も子どもの食事では、「栄養があるのだから食べてほしい」と思うほど、食べないことが気になってしまう場面がありました。
しかし、大人が焦ると食卓の雰囲気も張り詰めやすくなります。少量を試して食べなければ、その日は終わりにするくらいの余裕を持つほうが、結果として次の一口につながりやすいと私は感じます。
私が考える納豆を離乳食に取り入れるポイント
私が重要だと考えるのは、納豆を「栄養豊富な特別食材」として扱い過ぎず、複数あるたんぱく質食品の一つとして取り入れることです。
納豆は加熱調理の手間が比較的少なく、ひきわり納豆を選べば刻む負担も減らせます。
忙しい日に、おかゆや柔らかい野菜へ少量混ぜられる点は、離乳食を準備する家庭にとって大きな利点です。
一方で、粘りがあるから飲み込みやすいことと、安全に食べられることは同じではありません。
飲み込みやすい食品ほど、かまずに口へ流し込んでしまうことがあります。月齢が進んでも、粒の大きさと食べる姿勢を確認する必要があります。
また、月齢別の「10g」「15g」「20g」という数字は、食べさせるべきノルマではありません。
離乳食の目的は、決められた量を毎回完食させることだけではなく、さまざまな味や舌触りを経験し、口を動かして食べる力を育てることです。
個人的には、初めての納豆で最も優先したいのは、目安量まで増やすことよりも、少量を安全な時間帯に試して食後の様子を確認することだと考えます。
食べられたら少しずつ増やし、嫌がったら無理をせず別の日に試す。この繰り返しが、赤ちゃんに合わせた現実的な進め方です。
納豆を食べない日があっても、豆腐、魚、肉、卵、乳製品などからたんぱく質を取る選択肢があります。
「この食材を食べさせなければ」と一つの食品にこだわらず、家庭で続けやすい方法を選ぶことが、離乳食を長く続けるうえで大切でしょう。
まとめ
離乳食の納豆は、一般的に生後7〜8か月頃の離乳中期から与えられます。
初めては湯通しして細かく刻み、赤ちゃん用スプーンの先にのせる程度の少量から試しましょう。
離乳中期は10〜15g、離乳後期は15〜18g、完了期は20g程度が一つの目安ですが、必ず食べ切らせる量ではありません。
赤ちゃんの食べる力や体調、ほかのたんぱく質食品との組み合わせに応じて調整してください。
付属のたれやからしは使わず、初めての日は医療機関を受診しやすい平日の日中を選びます。
大豆アレルギーの症状や丸のみの危険にも注意し、大人がそばで見守りながら進めることが大切です。
よくある質問
離乳食初期の生後5〜6か月に納豆を与えてもいいですか?
納豆は一般的に、舌で食べ物をつぶせるようになる生後7〜8か月頃から始めます。
生後5〜6か月頃は、つぶしがゆや柔らかくした野菜に慣れた後、豆腐や白身魚などのなめらかに調理しやすい食品から進めるとよいでしょう。
離乳食の進みが早い場合でも、赤ちゃんの発達や食べる様子を確認し、不安があれば医師や管理栄養士へ相談してください。
ひきわり納豆は湯通しせずに与えられますか?
離乳中期に初めて与える場合は、ひきわり納豆でも湯通しする方法が適しています。
湯通しによって粘りやにおいが弱まり、赤ちゃんが食べやすくなります。
離乳後期以降は、食べる力や商品状態によって湯通しを省くことも考えられますが、粒の大きさや丸のみしていないかを必ず確認しましょう。
納豆を加熱すれば大豆アレルギーは防げますか?
加熱した納豆でも、大豆アレルギーの症状が起こる可能性があります。
初めては少量だけ与え、食後の皮膚、呼吸、消化器症状などを確認してください。
湿疹が強い、すでに大豆で症状が出た、医師から食品除去を指示されているといった場合は、自己判断で試さず医療機関へ相談しましょう。


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